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空海伝説【1】太古の塩、会津山塩 2
2026/09/19
【写真】グリーンタフ 提供:磐梯山ジオパーク
>>>前回のつづき

日本の塩のほとんどは海水から作られます。
海のない山奥で塩をつくること自体、実はとても珍しいことなのです。
かつて会津地方には、只見や金山、熱塩加納、そして北塩原と、
実に多くの土地で塩泉から塩をつくる営みがありました。
目を広げれば、山形県の米沢地方や栃木県の栗山村にまで、
同じような塩泉製塩の記録が点在しています。

東北から北関東にかけて、山の中で塩をつくるという知恵が、
思いのほか広く息づいていたのですね。
しかし、そのほとんどは専売制度の時代に姿を消しました。
今、商業的に山塩をつくり続けているのは、
ここ会津と、長野県大鹿村のみ。

1200年前に空海が湧かせたと伝わる塩が、
いくつもの時代を越えて今も食卓に届いている ・・・
そう思うと、ひとつまみの重みが変わってきます。

この温泉の源は、実は太古の海水。
近隣に広がる同じ「グリーンタフ」層の年代から推定すると、
およそ1400万年〜1800万年前、
日本海が生まれつつあった頃の地層に閉じ込められた海の記憶が、
長い年月をかけて地下水に溶け出したものと考えられています。

海水とは成分のバランスが少し異なり、
一般的な海塩と比べて
カリウム・マグネシウム・カルシウムを豊富に含んでいるのが特徴。
角がなく、まろやかな塩気が、素材そのものの味を引き立ててくれます。

難しい調理をしなくても、この塩ひとつで、
会津の土地の味がぐっと引き立ちます。

空海が説いた教えのひとつに、
「この世界の自然そのものが、仏の教えを語っている」
というものがあります。

風の音も、川のせせらぎも、そして山から湧き出す塩の水も ・・
すべてが何かを語りかけている、という考え方です。
そんな伝説と、1200年の時を経て今もこの土地で守られている塩と
両方に思いを馳せながら味わうと、
また違ったおいしさに出会えるかもしれません。

会津には、こうした弘法大師にまつわる伝説がまだまだ残っています。
次回は、会津のシンボルでもあるあの山に伝わる、
ちょっとスケールの大きな物語をお届けする予定です。
どうぞお楽しみに。

■会津山塩企業組合
住所 〒966-0402 福島県耶麻郡北塩原村大字大塩字太田2
電話番号 0241-33-2340
営業時間 9:30~17:00(見学可)
HP:https://aizu-yamajio.com/